ITの現場

先日、県協会のDXソリューション研究会の忘年会があった。いくつか研究会には入ったものの、コロナ禍でもあったため活動していないものや、自然と足を運ばなくなったものもあり、今参加しているのはDXソリューション研究会のみである。

最近はDXやAIのテーマが多いけど、もともとはそんなものが流行る前から研究会はあったので、バリバリにITの現場にいたおじいちゃん戦士も会にはいるわけである。

そんな人たちと酒を飲み昔話にも一花咲かせるのである。

「昔の現場にはドキュメントなんかあるわけねえ。みんな直でソース直してたよな」

「普段ソリティアしかしないのにトラブル時は真っ先に呼び出されることが存在意義のベテランがいる」

「夜中に呼び出されてタクシー云万円」

「COBOLがうんたらかんたら」

「メインフレームがうんたらかんたら」

「サーバー室で凍え死にそうになった」

「パンチャーがどうのフロッピーがどうの未だにテープでどうのこうの」

みたいで楽しかった。どこの現場も同じようなもんだったんだな。さすがにパンチカードやフロッピーはワイはリアルタイムでは知らんけど。

たぶん、非ITの人にはよくわからないと思うんだけど、これがITの現場の実態なんだよね。何にもキラキラしてない泥臭い仕事。

なんかね、ITって目に見えない分、距離感バグってる人多いと思うんだよね。

IT業界にいたというだけで、AIもSNSもオンプレ開発もクラウドもメインフレームもネットワークもデータベースもJAVAもPythonも要件定義もコーディングもofficeもAdobeもWindowsもLinuxもぜーんぶ知ってるみたいに思われるのよね。

いやいや普通に考えろよ。そんなわけないやろ。

お菓子工場でチョコレートの製造ラインの生産管理してる人が、同じ製造業だからってμm単位の汎用旋盤できると思う?ほな明日からお願いします、でできると思う?そんなわけないやろ。

身の回りの業界に置き換えれば簡単にわかると思うんだけど、「IT」というだけで距離感バグる人多いの何でなんでしょうか。

IT素人がITストラテジストを目指そうとするのとワイの認識でズレがあるのってここだと思ってるんですよね。

たかだか10年くらいしかIT業界にいなかったけど、ITストラテジスト持ってる人なんてそうそういなかったし、逆にこんなもの持ってたからってIT業界でバリバリ活躍できるかというと全くそうではないことをわかっています。

ITといってもピンキリなので、システム開発ではないもっと身近なクラウドサービスなんかで中小企業に役立ちたいというのであれば、そのクラウドサービス自分で触ったり、そのサービスの認定資格でも勉強したほうがいいです。ITストラテジストはおろか応用情報でもオーバースペックです。

こないだ暇なんでITパスポートの過去問解いてたんですが、なんかITの知識身につけたいならこれで十分すぎるとも思った。実はITパスポートちょっとバカにしていて存在意義がわからなかったんだけど、結構いい試験だなと思った。なので、なおさらIT業界関係ない人が上の試験目指すのってなんでやろなと思った。

まあでも勉強したい人の気持ちを踏みにじりたいわけではないけど、なんか時間を無駄にしてるなとは思う。ただの価値観の違いだけど、ITストラテジストにかける時間でもっと他の勉強したほうが知識の幅は広がり実務にも役立つとは思う。

前にも書いた気がするけど、仮にも診断士の人はリソースの選択と集中だとか、ポジショニングとか、強みを機会にぶつけるとか、学んできてるわけだよね。業務との関連ではなく「試験の親和性があるから」とか言ってるとそもそも与件分読めてないし、学んできたこと全部ぶっとんでると思うんだよね。

なので未経験からITストラテジスト目指すとか、個人的には無駄(その学習時間で他のこと勉強したほうが身にもなり実務にも役立つという意味で)と思うし、診断士が何も考えず言ってるのなら非診断士が言ってるよりヤベーことだなとは思います。

ま、個人が何勉強して時間無駄にしようがワイには関係ないわ。ワイはもっと有意義に時間を使いたい。診断士でITストラテジスト目指したい人も、アホみたいに何も考えんと勉強始めるのではなく、目的と取ってどうしたいか、それがITストラテジストなのかはちゃんと考えたほうがいいんじゃないでしょうか。

資格を取ることは手段であって目的でないはず。まあ目的化してる人には何を言っても響かんか。

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