診断士としてスタートダッシュを決めるために

二次試験受験生の皆様お疲れ様でした。おそらく合格の手応えを感じている人なんてほとんどいないと思いますが、過去の合格者だってそんなものです。

再現答案を合格したらまず各社の採点サービス応募してみましょう。再現答案を作成しておくと口述試験の際にもどんな事例だったか思い出しやすくなります。

診断士としてスタートダッシュするために

さて、合格発表はまだまだ先ですが、気の早い人はスタートダッシュに備えましょう。

強みの棚卸し

意外と自分自身の強みをわかっていない人は多いですが、独占業務のない中小企業診断士では自らの強みや売りを言語化できないのは致命的です。自分自身のSWOT分析ができない人が人様の企業のSWOT分析なんかできるわけがありません。

どの業界で生きていくのか、どの工程で生きていくのか、はっきりさせることは大事です。ベテランの先生の自己紹介を聞いても「○○業界が得意です」とよくおっしゃるのを聞きます。やれることが多いからこそ専門性に特化して自らの生きる道を開拓しているのですね。

合格発表まで時間のある今、自分のキャリアや強みを棚卸しし言語化してみましょう。自分が診断士としてどのように生きていくかを検討するためにも必要です。

なお、商工会議所や商工会の専門家に登録しようとすると10年の経験が問われるのが一般的のようです。つまり、自分自身では大したことがないと思っても10年も経験していれば「専門家」と名乗っていいレベルのようです。ぽっと出の中小企業診断士が「経営が専門です」と言っても何の説得力もありません。

私も新卒で入った会社が10年ちょっと働いたので、自分自身でも大したことないと思っていますが専門家を名乗っています。それでいいんですよ。自分では大したことないと思っても外から見たら専門的、そんなもんです。

名刺を作ろう

企業内で活動する予定の人も診断士用の名刺はあっても良いかと思います。配る機会は多いです。ただし、配る機会は一斉に大勢が交換する機会が多いため、もはや誰が誰なのかさっぱりわからなくなります。

そこで私は次のように名刺を作成しました。

①強みをガツンと記入する

上記の通り自分自身のSWOTを行い、自分診断士としてどの分野で生きていきたいのかをアピールします。

そうすると名刺を一目見たところで「あー○○がお得意なのですね」という話になり印象に残ります。あとあとになっても「この人◯◯できるんだな」と思わせるのが大事です。

②顔写真を載せる

ただでさえ大量の名刺交換をすると顔と名前が一致しない人がいっぱい出てきますがコロナ禍の中マスクをしているとなおさらです。なので顔写真を載せておきます。これ結構好評価なんですよ。私は結婚式の前に撮った奇跡の一枚を載せています。診断士になるとやたらスタジオ写真とる人が増えますけど、それでもいいんじゃないでしょうか。いわば営業用の宣材写真ですしね。大事ですよ。

③裏面に経歴や小ネタを載せておく

経歴は強みを補完します。表面だけで表現できない強みや、仕事の経験を載せていると自分自身を深くしってもらうきっかけになるかもしれません。

また小ネタを載せておくと話のきっかけになります。私は裁判員をやったレア経験があるのでそのことを記載しています。名刺に「懲役」やら「殺人未遂」やら書いてある人はそうそういないと思いますので、これもやっぱ話のきっかけや、覚えてもらうためのよいきっかけになります。

ラクスルだと自分でデザインする必要ありますが両面フルカラーでも700円くらいです。安すぎでしょ。私はバラマキ用にラクスルで作った名刺のみ現在用意していますが、ガチ仕事用に100枚12000円くらいの活版印刷の名刺を用意したいと思っています。つい先日も某士業の方と名刺交換をしたのですが活版印刷のステキな名刺で、やっぱりいいなあと思いました。

バラマキは大事だが名刺の数=コネではない

勘違いしている人もいっぱいいますが、もらった名刺の数=コネクションの数ではないです。ただ一度以上出会った人の数がそれだけいるだけにすぎません。やたら名刺の数自慢や、SNSのオトモダチ自慢をする人がいますが、そんなものはコネでもなんでもありません。そんな発想は大卒社員の新卒入社が初めてもらった名刺を配りまくった段階で卒業するものです。社会経験をある程度経て資格試験に合格した人がやることではありません。なんで診断士になった途端再開しちゃうのかなあ。。

ただ、自分を売り込む意味でも数多く配るのもきっかけづくりには必要ですよ。0と1では全然違いますからね。相手がどう受け取っているかはわかりませんし、名前を売ることは大事です。ただ名刺交換やオトモダチの数は競い合っても何の意味もないものですし、そこから真のお付き合いをどれくらいできたかのほうが圧倒的に価値があります。

最悪、名刺1枚しか交換していなくても、その相手が月100万くらいの仕事をくれたらそれもアリじゃないですか。付加価値0の100万人とつながっても意味ないですよね。そんな名刺交換の数やオトモダチの数を競い合うのではなく、どれだけ仕事につなげられる人との関係を築けたかを、考えたほうがいいんじゃないかなあと思います。

そういう意味でも、名刺が没個性的では相手の印象に残らないですからね。名刺配布のタイミングでしっかり挨拶できるかもわかりません。本当にただ「交換」しただけで終わることもありますし。なので名刺でインパクトを残すことが大事かな、と思っています。

コネを築くは同期より地元のちょっとだけ先輩

〇〇年合格者、等で同期でコネを作りがちですが、ぶっちゃけ同期なんて登録時期に多少の前後はあっても診断士の経験がそんなにあるわけではないので、みんながガッポリ儲かる仕事なんてそうそう早く生み出せるものではありませんし、そもそも遠方に住んでいる人同市では仕事野融通も効くものではないです。繰り返しになりますが、SNSでもやたら同期のコネづくりにご執心な人もいるのですが、それ本当に何の役に立ってるの、、と思います。

本当にコネを作るべきは遠方の会う機会もない同期より地元のちょっとだけ先輩です。面倒見のいいベテラン先生とももちろん繋がるべきですが。コロナ禍にあって全国各地の診断士とSNSやZoomで繋がれると言っても大事な仕事が降って湧いてくるわけじゃないですしね。イベントや執筆等の仕事があっても一過性のものです。継続して食っていく仕事のつながりとなるとやっぱり地元の先生になるわけです。

つながる先生といってもベテランばっかりだと新人が割って入るスキもないですからね。面倒見のいいベテラン先生もいらっしゃいますが、仕事につなげたいという生々しい欲望がある人は若手の先生と仲良くなるのがいいと思います。

私自身、結局仕事につながるお話というのはちょっとだけ先輩から紹介いただく形が多かったです。なので全国各地で同期を探すより、地元の先輩を探す活動をしてみるのがいいと思っています。同期の情報交換というのもありますが、そんな噂ベースで表面だけの話だけしてるより地元で地に足つけた活動してるほうが10000倍良かったな、、と思います。

協会の広報がダメダメとかで、地元でどんな活動してるかわからないとか、どんな研究会があるかわからないとか、あると思います。でも、協会は新人を求めています。だって金づる協会費払ってくれる人が増えるんだからそんな人に不親切にするわけありません。やる気があるなら自分から問い合わせればいいのです。仕事でもなんでもそうですけど、100%受け身ではうまくいくわけ無いですよこの世界は。黙ってても仕事が降ってくる世界じゃないです。協会も研究会も、新人の入会はどこも喜ばれますので自分から問い合わせてみましょう。

ちなみにですが、登録前でも各地の協会には「準会員」という立場で入会もできるはずなので、診断士としてバリバリやっていきたい人は二次試験の合格発表(後述のですよ)があれば速攻で協会に問い合わせるといいです。

Wordの練習

口を酸っぱくしてしていいますが、実務補習もそうですし、その後も補助金の申請等Wordを使う機会は多いです。エクセルやパワポを仕事で使う人はいっぱいいると思いますが、なかなかWordは使う人いないと思います。

段落、インデント、目次、図表目次くらいはサラっとできるようにしておくべきです。その後の生産性が全然違います。エクセルやパワポのように直感ではWordは動いてくれません。

残念ながら診断士の世界の様式はWordだらけです。Wordができるできないは自らの生産性にも大きく関わってくる問題です。「仕事はエクセルかパワポだからー」って人も、この機会にWordの修行をしてみてはいかがでしょうか。間違いなく役に立ちます。

次の資格を考える前に。。

早速次の資格試験にチャレンジしようとしている人もいるかもしれません。ですがそれって今すぐに必要ですか?まだ診断士の試験は終わったばかりですし、もし合格していたのなら次の資格より診断士の資格を活用することを考えませんか?

簿記とか情報処理技術者試験のような、実力だめしの検定試験なら勉強を重ねるといいと思うのですが、他の士業にチャレンジするのであればちょっと考えてみてほしいなと個人的には思っています。

診断士は独占業務がないのでできることの可能性は無限大にあります。よくある補助金や助成金だって、一次試験の中小の科目で学んだくらいではとても実践で使えるものではありません、全然知識は足りない。診断士になったとしても勉強することなんていくらでもあるんですよ。

診断士になりたい、診断士として活躍したい、と思っているのなら別の資格の勉強をするくらいならもうちょっと診断士の知識を深めてもいいんじゃないかなと思っています。診断士として活動しているうちに、人事領域に特化したいなら社労士を目指せばいいし、財務領域に特化したいなら税理士を目指せばいいし、将来どこを目指すかなんて今の段階ではわからないですよね。その時になって次の資格を目指すでも全然遅くないと思います。

まとめ

みなさんもやりたかったこと、読みたかった本、行きたかったところもたくさんあるでしょう。まずはそれを楽しむのが第一です。

ですがスタートダッシュしたい人は合格発表前でもすでに来年の診断士活動を見据えちゃったりしているのではないでしょうか。いいと思いますよ。私も合格の手応えないけど合格後のいろいろなこと考えていましたしこの次期。そんな人に参考になれば幸いです。

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