無料相談 創業について

商工会議所で月に1回無料相談をやっている(相談を受ける側)。特にテーマが決まっているわけではないのだが、ワイのエリアでは、創業までに4回商工会議所で無料相談を受ければ、創業にあたっていろいろ有利なことがあるので、創業希望の人はまずこの4回の無料相談(通称・スタンプラリー)を受けに来る人も多く、ほとんどがこのスタンプラリーの相談である。

以前もちょっと書いたのだが、タダというのは何かといいことばかりではない。

このスタンプラリーは金銭的なメリットがかなりでかい。このメリットを享受するためであれば、無料であれば1時間×4回の相談にもそりゃ来るだろう。ただそのメリットを享受するためだけに、4時間を消化試合にするのか、少しでも「せっかくだから」という意識で来るのでは、当然ながら得られるものは変わってくるだろう。

消化試合だと思っている人には何を打っても響かない。ただ自分のトークスキルがないだけなのかもしれないが、何で創業するつもりなのかも教えてくれないし、これまでどんなキャリアだったのかも教えてもらえなければ、そりゃこちらだって、診断士試験の参考書に書いてあるような具体性のないアドバイスしかできないよ。

ワイはそういう人に対してまで、何とかして根掘り葉掘り聞きだしてまでアドバイスしたいようなタイプではない。こちらからお願いして相談に乗っているいるわけでもないし、タダで専門家の話聞けるのにもったいねーなとは思いますが、こちらから言い負かせて話聞かせても相手のためにもならんしね。それでいいと思っている人に強要するつもりもありません。

創業への意識

相談に来る人の多くは、個人事業からの法人成りである。そのきっかけも様々ではあるが、話を聞いている限り、法人成りする必要がある人はその半分くらいしかいないんじゃないかという感じである。法人成りする必要があると思った人は、スタンプラリーを消化試合にはしない。なんとなくしたいという考えではないので、創業後の体制やキャッシュフローのことまで考えている人が多い。話を聞き、抜け漏れや考え方をアドバイスすると打てば響くのでこちらもやりがいはある。

残念ながら、法人成りする必要は感じるが、あまり法人化したあとのことを考えていない人もいる。このタイプの人はスタンプラリーを消化試合と考えている人が多いように個人的には思います。なので、こちらもあまり具体的なアドバイスもできないし、打っても響かないので残念な感じはします。

法人成りする必要がないと思われる人は、やはりなんとなく創業したいという人が多い。なので戦えるビジネスプランはない。その場合も多くは「いきなり法人でやるよりまず個人事業主でやってみて手ごたえつかんでからでも遅くないんじゃないですか」とは伝える。やる気があるのはいいと思うんですけどね。個人事業主だって立派な経営者だし、まずは法人よりルールの緩い個人事業主でしっかりやっても遅くはないと思うんですよね。法人化したい人全員の背中を押す必要もないと思っています。止められる人が止める必要だってあるでしょう。

ただ、こちらのタイプの人も法人化してでも何かやりたいという意識は強い人達ではあるので、「事業をやるならこういうことは考えましょうね」と伝えると、「こんなに考えることあるんですね」とか「そういうこと考えてなかった、勉強になります」という人が多いので、やっぱりこちらもやりがいはある。

もちろん、ノーアイデアなことが悪いわけではない。おぼろげながら形があるのであれば、そこにうまくいくようなアドバイスはもちろんする。いけそうであればさらにアイデア練ってもらうように伝えるし、厳しいようならクリアするポイントを伝えてなんとか形になるようには伝える。ただ、中には全くのノーアイデアの人もいるわけで、、そのアイデアを他人に考えてもらうのは違うだろ。そんなもんで事業化したところで決してうまくはいかない。

話を聞く必要もないと思われる人も来る

スタンプラリーは金銭面のメリットが多いため、本当に相談なんかくる必要もない人だって来る。すでに事業を営んでいる人や、士業の人たち。新たに会社を作ろうと思うとやはりスタンプラリーをしたほうがメリットがあるのである。しかし、このテの人たちは、時間を割いてスタンプラリーのメリットを享受する必要もないようには思う。金銭的メリットあるとしても、すでにある事業に集中すればそんなメリットは些細なものなんじゃないかと思う。

このテの人たちはいい意味で厄介なのだが(だって相談員よりよっぽど経験積んでるし)、ものすごくやる気はある。なので本来ならやらなくてもいいようなスタンプラリーを消化試合にはしないし、1回コールドにするくらいの気持ちで来る。こちらとしても緊張感は高まるのだが、いろいろな話を聞くのが楽しいとか、せっかくだから何か一つでも話を持って帰りたいとか、これも一つの経験だからとか、そういう気持ちでいらっしゃる。若い創業希望の人たちもみんなこういう意気込みで相談に来てほしいと思うんですけどね、せっかくだし。結局この意気込みが、法人化した後の事業の成長にもつながるんじゃないかと思うんです。

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