読了 世界のビジネスエリートが身につける教養としての占い

「占いってなんかうさんくさいですよね、信じられないです」

そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

最近、いろいろと本を読んでいます。「世界のビジネスエリートが身につける教養としての占い」を読みました。

占いって、全く信じていないです。信じてない人も多いと思います。本を読み終えた今でも正直言うと信じられねえなという思いはある。

だいたいほとんどの人が同じことを思うと思うんですが、占いには根拠がない、科学的にも、統計的にもね。何を言われても「それってあなたの感想ですよね」の域を出ないと思います。その割に結構結構はっきりしたことを言ったり、そのとおりにしないと地獄に落ちるとまで言ってしまう圧強めの人が多い世界という感じで苦手です。占い好きで信じてる人が盲目的すぎて危ういのもなんかヤベエ世界だなと思う理由かと思います。

でも、信じる信じないとかっていう話じゃなくて、占いって「ヒントになるか、新たな視点を得られるか」なんだな、と思いました。なんか以前、エリートの人って占いが好きって聞いたことはあったのです。それで本書のタイトルが気になり読んでみました。エリートにもなると普段から導いてくれる人がいなくなっちゃうからね、って思っていましたが、それはあんまり間違っていないようでした。

それに、日本人っておみくじ好きじゃないですか。無宗教なのに初詣は神社に行くし、お寺も参るし、おみくじ引く。縁もゆかりもないのにお賽銭入れて神や仏に祈るわけだ。なんかやってることおかしいような気もするけど、絶対的に信じるものはないとしても、エンターテイメントとか、ちょっとした気分でなにかに頼ったりする部分は多々あるんですね。

占いって大きくわけると3種類あるらしいです。

命術(命占)

いわゆる星占いとか四柱推命とか、もうなんか生まれた瞬間に運命決まっちゃう系のやつですね。これは個人的に好きじゃないですね。で、本書を読んで見ても結局ここの好きじゃない感じが解消されることはなかったです。結局科学的根拠も統計的なものもないんですよね、、一生懸命研究してる!らしいですが、もう2000年以上の歴史があるのにまだはっきりしたことはわかっていないわけで、、

毎日やってる星座占いなんかも、この占いを超簡略化した結果なんですね。全人類の運勢を12にしかわけられないわけねーだろと思ってましたが、それはエンターテイメントとしてするには仕方のないことなのだなと。まあ、あれを心の底から信じている人なんかいないと思いますが。1位だったラッキー、12位だったやなだあ、くらいでしょ。

あ、あと実際に星占いで使う星座と、本当に太陽が位置する星座って違うんだとか。わたし1月17日生まれの山羊座なんですが、本当は射手座らしいです。ガチの占星術ならともかくですが、12星座の星占いで実際の星座と違うって、ほんと何をどう占ってるんでしょうね、、ってしかなりませんよ。

本当の太陽の位置にあたる星座が気になる人は下記のリンクを見てみてください。

国立科学博物館-宇宙の質問箱-星座編

相術(相占)

手相や人相とか、姿かたちから占いものですね。これはなんかわかるものとわからないものがあります。

例えば手相なんかだと、生まれ持ったものもあると思うんですけど、職人さんとか手を繊細に使うような仕事していると手のシワとかも変わってくると思うし、毎日険しい顔して考えている人だと顔のシワとかも変わってくると思うので、なんか生き様とか現れるところもあると思うんですよね。

とはいっても「こういう手相だからこういう運命」っていうのは全く信じてません。「こういう人生だからこういう手相になった」っていうところじゃないかなと思います。

姓名判断なんかも相術ですが、これもおかしいですよね。名前変えたら運勢変わるって何やねん、って話じゃないですか?

卜術(卜占)

これはね、なんかわかる。信じる信じないとかじゃないけど理解できる。ビジネスエリートが好きなのは主にこれなんじゃないかな。

タロットとか、易とか。まあ広くいえばおみくじとかオラクルカードなんかもここにあたるのか。偶然の要素を使ってやる売らないですね。

個人的にいいなと思ったのは、卜術の場合はその時その時で結果が変わることですね。命術や相術のようにもう決まったものから変わらないというわけじゃない、その時に必要な結果が出る、というところ。

信じる信じないではない

本書を読んだ結果ですが、占いででた結果も「こうしなければならない」とか「これをやってはいけない」という未来予知をするものではないということなんですね。私は占いというと未来予知とか、する/しないを決めつけるものだと思っていたので、それは大きな誤解だったと思います。とはいえこれも声大きめ圧強めな占い師が目立つせいだと思いますが。

タロットとかの卜術の結果ってはっきりした未来は示しておらず、「このような可能性があります」ぐらいの結果なんですよね。タロットではカードを引く枚数とかによって占う種類があって、そら枚数があるほど読み解くのが困難な結果になるので、そこが占い師の力の見せ場ということになります。解釈のしようは如何様にもあるので、それをどう読み解くか、どう伝えるか、というところに技量の差が現れるわけです。

命術なんかもうフォーマット決まってるから誰が占っても同じ結果なわけですよ。そこに行き着くには知識は必要なわけですが、今の時代もう生年月日とか生まれた場所とか入力すれば一瞬で結果でるようにできると思いますけどね。でもそれをどう解釈し、どう伝えるかが占い師の技量なんだと思います。

なので、伝える技術がヘッタクソか、脅して継続的に商売するか、とかの占い師だと「こうしないとダメです」とか「こうしないと地獄に落ちる」とか言ってしまうわけです。

ビジネスエリートは占いに答えを求めていくわけではないです。「○社を買収すべきですか」とか「転職すべきですか」なんてアホな決断を他人に委ねるわけないんですよね。でも占いに行く。エリートは答えではなくヒントを求めているのです。

「○社買収にあたっては△△に留意するような結果が出ていますね」とか、「転職するにあたっては□□に注意すべきですね」とかそういうアドバイスを求めているんですね。結局、コーチングとかコンサルティングでも、する側の知識や経験を超えたアドバイスとかってできないですからね。占いによって今まで見えてこなかった観点からのアドバイスができるのであれば(占う側も占ってもらう側も技量は必要ですが)、占いって結構有効なものではないかなと思うようになりました。

で、少し占いを勉強してみようかと思っちゃったのですね。それで初めて知ったのですが、占い師って以外と元々カウンセラーだったりメンタルケアやキャリアカウンセラーとかの資格持っている人が多いんですね。で、皆が皆スピリチュアルなわけではないことがわかった。占いが先かカウンセラーが先かはわからないけど、カウンセリングの一環として占いを使っているようでした。

ただただなんかおもしろいなと思いました。中小企業診断士だってある意味経営者や経営層にカウンセリングしてるわけなので。やっぱりこれもこれまで得た知識や経験以上のものはアドバイスできないわけですよ。だからといって知識や経験を得ることを疎かにするわけではないけど、占いのように自分にはなかった目線の考えが出てくることはおもしろいなと思いました。

ま、これまでどうよう断言しちゃう系の占い師とかは信じることはないです。占いの結果の通り行動することはないです。でも、ヒントや気づきをもらうような使い方であれば、今後やってみたいなと思うようになりました。

とてもおもしろい気づきをもらえる本でした。

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