読了 会計の世界史

読書

会計の世界史を読みました。

私は歴史と名のつくものが苦手、というより嫌いです。昔っから苦手で、小学生の頃から歴史の時間だけは本当に苦痛でした。何をどうやっても興味を持てない。そんなわけで人生で一度も三国志を読んだこともないし、戦国モノに手を付けたこともないし、大河ドラマも一度も見たことがない。

明治以降の近代史は必須だと思うしもっと細かくやってほしかった。それ以前の歴史を義務教育でそんなに詳しく扱わなくてもいいのではと思います。なぜこう歴史嫌いになったのか思うところはありますが、別に今まで明治以前の歴史を知らなくて、イベントのあった年号を思い出せなくて困ったことが人生の中で一度もないです。少なくとも義務教育の範疇では。大人になってから、歴史をただの年表暗記ではなくストーリーで追えばおもしろいか?と一瞬思ったことはありましたが、別におもしろいストーリー追うなら歴史じゃなくても現代を生きる人の方がいいや、という感じです。

さて、そんな自分なのですこの手の「〇〇の歴史」といったものは今まで興味はなかったのですが、本書を書店で見た時に惹かれるものがありました。確かに会計の歴史はほとんど知らないです。15世紀くらいにイタリアで簿記がうまれた、ということはかすかに聞いたことがあるような、それくらいの知識しかありませんでした。そもそも、今のイタリアのイメージからして、イタリアで簿記が産まれたというのは信じられない話ですが、簿記の美しさというか様式美みたいなものは、ルネサンス期のイタリアに通じるものがあったのかもしれませんね。

本書は15世紀くらいからの世界の文化や産業の変化を通じて、会計の必要性や変化が描かれています。これであれば歴史に疎い人でも内容がよく入ってきます。

ただの帳簿から決算の必要性、予算や管理会計への発展、企業価値の考え方へと、当時の産業、歴史上の人物とともにわかりやすい解説があります。

面白くてぐいぐい読み進めました。分厚い本なのですが、下1/4くらいは人物や用語の解説のための欄であり、解説のないページも多いので読みやすさも相まって一気にページ数が進みます。

こういう背景を理解できると現代の会計の必要性や仕組みの理解が進みますね。プロである公認会計士や税理士がこの内容で満足できるかどうかはわかりませんが、中小企業診断士みたいな「会計も扱う」みたいな職ですと知っておいたほうが良いと思われる内容ばかりでした。

特に第3章の管理会計とファイナンスが個人的にはおもしろかったです。デュポン公式とか出てくるとニヤリとしますね。断片的な知識が体系化されてくるので知的好奇心のワクワクが止まりませんでした。

歴史のムズカシイ話は出てこないので、私のように世界史にテスト10点くらいしか取れない人でも何の問題もなく読み進められます。勉強の合間に読むのもオススメできる良書でした。

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