気持ちを整えれば二次試験も怖くない

一次試験の合格発表から一週間経ち、二次試験に向けて再度気合を入れている人も多いのではないでしょうか。事例ごとのお作法は、さちのひもけぶかいねこ、ダナドコ、NPVの計算等等、技術的な面を日々積み重ねている人も多いです。また、一日に4事例解いてみたら、模試を解いてみたら思ったより頭が回らなかった、疲れた、と感じる人も多いでしょう。

中小企業診断士の二次試験に置いても心技体の充実は必要です。このブログでは技の部分は書かないと決めていますし、体の部分もそれぞれで工夫してもらうとして、個人的に去年の合格要因として一番大きかったと思っている心の面について書きたいと思います。

240点で合格

受験生の方ならもう合格基準はご存知かと思いますが、4事例で40点未満の科目がなく合計240点あれば合格です。240点でも400点でも合格です。

高得点を狙う必要はありません、1事例60点あればいいのです。相対評価でおそらくですが素点に対して偏差値的なものが最終的に得点になっていると思われますので、問題用紙に記載の点数で60点ではなく、全体の平均よりちょっと上、を取れば60点になるのです。

そのため私は本番では、「得点を重ねることより失点を防ぐ」方向で問題を解きました。5問であれば1問12点でよく、そこで18点20点を狙って変なことを書いてしまい、20点or0点よりも、確実な12点を取ることを考えていました。12点狙いであれば結構気持ちも楽になります。

もちろん過去問を解く際は高得点の再現答案に近づける方向で勉強するのはアリだと思いますが、いざ本番で高得点を狙ってもうまくいかないものです。そもそも再現答案だって、本当にその問題が高得点だったかどうかまではわかりませんしね。公式に答えも出ない試験なので何が高得点なのかはわかりません。わからないのに試験中に高得点を狙うなんて以ての外です。

去年の本試験では、事例1、事例2が終わった時点で、とても点数が取れているとは思いませんでした。ですが、そこで事例3と事例4で取り返すんや!ということにはなりませんでした。60点でいいかーと思っていたので、大失点することもなかったのだと思います。

はじめっから60点狙いだと、本当に気持ちが楽になります。

事例1は受験生を惑わすトラップが出るものとして考えておく

事例1は一番掴みどころがなく、何を書けばわからないという人が多いと思います。一日の中で最初の事例で緊張感も高まっている中ですし、その上掴みどころがない問題ばかりでパニックになる人も多いかと思います。

去年はトラップとして「最大の理由」が2回も問われました。これ結果的に、「最大の理由」って一つに絞る必要がなかった説が強いと個人的に思っているのですが(詳しくは過去記事参照)

こうやって、受験生を揺さぶるような問題が必ず出るのが事例1です。必ず出ます。だったらはじめっからそれを覚悟しておけばいいだけの話です。「あーこれかー今年の揺さぶりは、やっぱり出たね、はいはい」と思っておけば緊張することも揺さぶられることもありません。私はちゃんと覚悟していたので「最大の要因」と聞かれても何も揺さぶられることなく事例1を解くことができました。

そしてそのような揺さぶりの問題ができないのはあなただけではない、みんなできない。相対評価なので何も心配する必要もない。私自信、事例4に次いで事例1が2番めに点数良かったのだが、正直言って褒められるような回答は書いていないし今でもこの点数が不思議なくらいだ。一つ説明できるとしたら、自分以上に他の人の素点が悪かったんだな、ということくらい。相対評価ですしね。できないのは皆同じなのだから焦るだけ無駄ってもんです。揺さぶり問題ができなくても解ける問題を確実に取ればいいんです。

余談ですが「最大の理由」を問われた時迷わず「理由は並列書きにしたろ」と決めましたが、これは準備していたものではないです。過去にも「最大の理由」を問われたことがあったのですが、そのときも理由をひとつに絞ろうが複数書こうが、対して変わりなさそうだったことを思い出したからです。100字の中で理由を1つに絞るのはなかなかのギャンブルです。まずもって80分では理由を一つに絞り、かつ100字でまとめあげるのは至難の技です。

であれば始めから「最大の理由」という制約はなかったものとして考えたほうが失点は少ないと考えました。制約を無視しろというのは基本的にはNGです。他の事例で無視した時点で即死でしょう。ただ、事例1の「最大の理由」だけは無視しても問題なさそうだという実績がありました。制約は無視ししても問題ないとは大きい声では言えませんが、過去問の出題傾向や設問を分析しているとこういうところで役に立ったりするんです。

事例4は解く順番を先に決める、NPVは後回し

事例4は問題を解く順序を決めておきましょう。NPVとかデシジョンツリーは完答不可だと思っておいたほうが良いです。ここまでの3事例が手応えなく、事例4で100点とって取り返す!と思っても不可能です。多少自信があるくらいではNPVでパーフェクトをとるのは無理だと、はじめから考えておいたほうがいいです。本番で練習通りの問題なんてまず出題されない。

私もNPVとデシジョンツリーは出題されても解かないつもりでいました。もちろん練習はしていましたが、NPVであっても単純なものであれば最後に解こう、取替投資や除却損がある場合は始めから部分点狙いと決めていました。この問題でパーフェクトを狙うよりも、その分の時間を使ってでも他の問題のミスを絶対失くす、作文問題でもより点を取る、と考えていました。

まずは第1問の経営指標、それから後半に多くでてくる作文問題をしっかり解く、そしてその後計算問題を行う、と決めていました。去年もそのように解いて、第1問を解いたあと第4問に移ろうとしました。そこで第2問が見えたのですが「あれ、これめっちゃ簡単そうやけど、、」と思いそのまま第2問解こうかと思いましたが初志貫徹で第4問を解きました。結果的に第2問も難しくはなかったのですが、それまでの過去2年(平成29、30年)の事例4が難しかったこともあり、これほど易化することはないと思っていたので、始めに決めた作戦通りに進めました。

第1問と第4問が終わり、第2問と第3問を比較したとき、第3問の設問3は完答不可と判断し、第2問を先に解きました。第3問の設問3も今思えば初見でも決して完答不可の問題ではないのですが、もし完答狙いで時間を潰してしまったら他の問題がミスなくできたかどうかはわかりません。予め決めておいた問題を解く順序と時間配分で解いた結果好成績につながりました。

今年の事例4の難易度がどうなるかは予想できません。緊張感と一日の疲れから、練習では解けていた問題も解けなくなることがあります。取れるところでしっかり取る、というのは基本ですので、やっぱり取りやすい問題から確実に取り、不確実な問題は後回し、という考えが良いかなと思います。

まとめ

私は去年の試験の直前ですが、上記のように本番の試験に臨む姿勢を整えました。いずれも落ちた年の反省を踏まえたものです。何の考えもなしに事例1をはじめて揺さぶられ、事例1で失敗したから事例2で取り返さないと!と思いちんぷんかんぷんな解答を書き、同じく事例3、事例4、、という感じです。事例4も100点取るんや!と意気込み解けもしない問題で時間を食ってしまい結果簡単な問題で計算ミスをしていました。

正直言って、去年は一次試験までは一次試験に専念しており、一昨年の二次試験本番の時の力を取り戻すのに一次試験後1.5か月くらいかかった印象です。そのため、落ちた一昨年と受かった昨年では心技体のうち技はほとんど変わりなかったと思いますし、むしろ落ちたんじゃないかと思っていました。そこで合計40点くらい上がった要因はなにかと言うと、やっぱり心の面でちゃんと準備していたからなのかな、と思います。

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