令和元年二次試験事例1 96点の答案のインタビュー動画

中小企業診断士試験

令和元年の二次試験の事例1で96点を取った方のインタビューがyoutubeに掲載されています。拝見しました。

中小企業診断士令和元年度二次試験事例1の96点答案の分析(再現答案あり)

再現答案も掲載されています。

第1問

売上減少と費用増大がキレイにまとまっているのですが、何より気になったのは最大の理由並列で書かれていることです。

余談なのですが、私は「最も○○なものの一つ」という表現が大嫌いです。だって「最も」とつく限りは「最も○○なもの」というのは一つしか存在しないはずです。北岳を「最も高い山の一つ」とは言わないですし、利根川を「最も長い川の一つ」とは呼びません。

話がそれました。最大の理由を問われている本問題。この方の回答は最大の理由が一つあって、それを補足するように売上減少と費用増大の説明でカバーしているのではなく、売上減少と費用増大の理由が完全に並列なのです。

私も「最大の理由」という条件は速攻で無視を決め並列に書きましたがここまでキレイには書けませんでした。それで96点ですからこの問題では最低でも16点あるわけです。出題者の「最大」という言葉の意味が私の認識と異なるのか、それとも同率1位だから最大の理由が2個あってもいいのか、「最大の理由」というのは受験生を揺さぶるためのポーズで別に理由が2個あっても3個あっても採点には関係なかったのか、わかりませんが今後も「最大の理由」と聞かれて無理やり一つにまとめるよりは、きれいな並列のほうが得点が取りやすいのかもしれません。

第2問

これまたキレイな2要素です。私も書いた要素は同じようなこと書いたのですが、この回答はキレイにまとまっています。

第3問

この回答はちょっとびっくりしました。いわゆる事例1っぽい回答では全くありません。どう見ても事例2の回答ですね。

このような認識を持っていたのがそもそも間違っていたのかもしれません。勉強会等においても「この回答は事例○っぽくないからダメだね」、「事例1でマーケティングのこと書いたらダメだね」的な意見はよく聞かれたし、私もいつからそう思っていたかは思い出せないのですが、そういう認識でいました。

この問題の結論は「潜在顧客を獲得し新たな市場を開拓したこと」なのでそれに結びついた効果がマーケティング的要素であったのであればマーケティング的な内容になっても良かったのですね。いやあこれは書けません。

第4問

この問題も美しい回答要素ですねー。①と③はみんな書けても②は書けないのではないでしょうか(私は書けませんでした)。

第5問

リストラ後の急速な改革が社員の不安、すごいですね。こんなこと80分で思いつかないですよ。トップ側や組織の都合だけではなく、従業員側の気持ちを踏まえた回答が高得点につながったのですね。②と③だけでも十分かと思いますが、①があることがこの得点につながったのでしょう。

リストラは今までの事例1ではNGワードでした。今回はすでにリストラを行っていた企業が舞台でしたが、これ以上のリストラはNGだと明確にすることは今までの常識に従っている行為であり、なるほどそういう使い方があるのだなーと勉強になりました。

また動画を見ていた思ったことですが。今まで出ていなかったことが出題者の意図として出題されているのだなというような認識でおられたようです。これはすごい気付きとして個人的には思いました。

まとめ

この回答を見て、特に参考になったのは下記の3つです。
・突飛なことはやっぱり書いていない
・「最大の理由」を複数書いても影響はなさそう
・事例1だからってマーケティングのこと書いても良い

全体を通してやっぱり突飛なことは書いてありません。96点だからどんなにすごいことを書いたのかと思ったのですが、普通のことを普通に書いているのです。当然ですがそれが高得点のコツです。とはいえ試験中に高得点を狙う行為は絶対にNGです。普通の回答を目指していった結果高得点であればいいんですけどね。

それから第1問で「最大の理由」を並列書きしていたこと。理由を複数書いても影響は少なそうです。また事例1でマーケティングのことを書いても良いのです。今後は「事例1は組織・人事のことを書かないとダメだね」、という指導は時代遅れになるかもしれませんね。ここで注意したいことは「事例1でマーケティングのことは書いても良い」のですが「事例2で組織・人事のことを書いても良い」のかどうかはわからないということです。事例1でマーケティングのことを書いてもいいはいいけど、60点狙いであればやめたほうがいいのかな、という個人的な思いもあります。

受験校の模範解答と違って自分もマネできそう!という感じの内容ですよね。96点は無理でも70点くらいなら、、みたいな。思いつきで変なことは書かず、普通の内容をコツコツと積み上げれば高得点につながる、改めて感じさせられる素晴らしい答案でした。

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