ふぞろいな合格答案の使い方

中小企業診断士試験

ふぞろいな合格答案13が今週発売のようですね。

私はそこまでふぞろいを信用していたわけではないのですが、なんやかんやで毎年発売日に買っていました。すでに二次試験まで見据えている人は、早めに買っておかないと品切れになるので買っておいたほうがいいですよー。一次受かるかわかんないよって人も買っておいたほうがいいと思います、来年使えますしね。

さて、今回は私なりのふぞろいの使い方を紹介します。

個人的な使い方

私のふぞろいの使い方はこんな感じでした。

Aランク答案をひたすら写経

Aランクの答案をひたすら手で紙に書いていました。自分にはない表現パターンや、解答要素を盛り込んだ良い見本を手で覚えこむためです。合格者答案も参照することもありましたが、合格者答案についてはAランクなのかどうかわからないので、特にいいと思った場合のみ参考にしていました。

Cランク、Dランクを参考にする

個人的にふぞろいの一番の見どころはこっちだと思います。再現答案の公開なんてネット上にもたくさんころがっていますが、基本的には自信のある人か合格者の後出しです。つまり実際に点数低かったものはなかなか転がっていないのですね。Aランク、合格者答案は実際に高得点だったわけなので、これはこれで参考にはなるのですが、Cランク、Dランクというのもこれはこれで「こう書いたらダメ」なパターンなので参考になるわけです。

C,D答案の特徴は「説明が長い」、これにつきます。Aランクでは同じようなことを書いていても文字数も少なくかつ必要な要素も盛り込んでいるのに対し、C、Dランクは説明が長く薄っぺらい文章になりがちです。与件文に書いてあることも長く説明してしまっていることが多い印象です。自分の作成した解答が無駄に長い説明になってしまっていないか、見比べることを行っていました。

基本的に低得点の分析ってあまりしないと思うのですが、自分なりに分析することで「これをやってはダメだ」のパターンを見つけることは重要だと思います。だって二次試験は「高得点を目指す試験」ではなく「失点を避ける試験」だと思ってますからね。失点を避けるためには高得点だけでなく低得点こそ分析する必要があります。

ふぞろい流ベスト答案を参考に「自己流ベスト答案」を作成

事例ごとに、ふぞろい流ベスト答案というものが載っています。ふぞろい流の採点で100点が取れるような答案を作成して紹介しているのですが、このふぞろい流ベスト答案ですが毎年日本語がかなり残念な感じの文章になっています。いくらキーワード入っていてもこの文章で点数になる?ってレベルで。このコーナーだけなんでこんな手抜きなん?って毎年思うほどです。「無理やり詰め込んだから窮屈になった」とかじゃないんですよねー。

よって、ベスト答案という方向性はいいのですがその日本語をまともに通じるレベルに修正することで高得点(っぽい)答案を身につけることができます。二次試験は過去問を解くだけでなく、採点後は現段階でのベスト答案を作ると良いです。その頂上とも言えるものがふぞろい流ベスト答案の日本語を正しく修正したものです。

ふぞろい使用上の注意点

二次試験受験者のマストアイテムともされているふぞろいですが、使用上の注意点もいくつかあります。

ふぞろい流の採点への全面信頼はNG

ふぞろいは短納期で大量の答案を分析し、採点基準のない試験の中で一つの採点基準(のようなもの)を作りだした、ある意味革命的な存在だと思っています。しかし採点基準の公開されていない二次試験なのでふぞろい流の採点を全面的に信頼することも避けたほうがいいです。あくまで一つの参考に留めるべきです。

また、キーワードしか採点基準がないため、上記のような日本語がメチャクチャなふぞろい流ベスト答案でも100点と評価されてしまうわけです。よく二次試験を解いている人で「ふぞろい流で◯◯点だった」という話をよく聞きますが、これもそう意味はないかと思います。いくらキーワードが盛り込まれていても日本語がメチャクチャなら実際に高得点が取れるとは個人的に思いません。キーワードを使っていることはもちろん、日本語として成り立ち、また他の問題の解答と整合性が取れていることが必要だと個人的には考えています。

ひとつの採点基準としては有用ではあるものの、ふぞろい流で高得点だったからできた気になってしまうのは大きな誤りです。

再現答案への大きな信頼もしてはいけない

答案分析も、合格者答案、Aランク、Bランク、Cランク、Dランクの採点結果を元に分析されているわけですが、ランクはすべて自己申告ですし、何より事例全体の評価しかわからないことに注意が必要です。

極端に言えば、事例1の第1問~第5問で、12-12-12-12-12の60点もいれば、20-0-0-20-20の60点もどちらもA(もしくは合格者答案)なのです。同じAランクとされていたとしてもその問題で高得点のAランクなのか全然ダメだったAランクなのかはわかりません。問題単位の採点を知る術はないので、そこは気をつけて参考にしなければいけません。

また再現答案も作るタイミングで再現度合いも変わってくるので注意が必要です。合格して思った思ったことですが、世の中に出回っている再現答案(特に合格者のもの)は美しすぎます。実際に合格してから見ると、同じ試験の80分であんなに美しいレベルの解答を本当に本試験で書いたのか?と疑うレベルの解答もちょいちょい見ます。自分の解答これと比べるとめっちゃショボイんですけど?

再現答案も、本試験中に解答を全部メモしている時間もないですし、他の人の解答や意見を見聞きしたら自分の解答にも補正はかかるし、解答でなくても後で「あーこの問題はこう書くべきだったか」と思い出したことがあっても記憶を上書きしたりしてしまうものです。そのためいつ再現したのかという情報が重要になりますし、てにをはや細かい点の修正も再現答案では自由自在です。再現答案作成は理想は当日、欲を言えば翌日まで、それ以降に作成された再現答案は鮮度がガタ落ちです。再現答案どころかマイベスト答案である可能性もあります。

ちなみに私の再現答案は事例1と2は昼休みに完成、事例3と4は帰りの電車の中で完成したのでとてもフレッシュですよ。

今ふぞろいのA答案を見てもやっぱりキレイすぎるので、本当にこれ試験で書いたのかなあとは思いますが、勉強中に解答の参考にするのにはとてもよい教材です。ただし、本試験でこんなに高いレベルの解答を書く必要はない、ということはお伝えしておきます。実際の合格者の答案だって一部神レベルの答案を除けばそんなに美しい解答でもないのが現実です。

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