独立組のデメリット

「独立したいんですけど、したほうがいいですか」みたいなマジクソみたいな質問をする人がたまにいる。これが高校生や大学生が言うのならそれなりに可愛げはあるが、社会経験もある大人が言うことではない。

「したいのなら伺ってないで勝手にやればいいじゃん」としか思わない。独立に限らずだけど、SNS上で「需要ある?」って伺い立てる人もとても多い。たぶん「需要ある?」って聞いちゃってる時点でやりたいんだよねその人。やりたくないのに「需要ある?」とかたぶん聞かないと思う。SNSなんか自分の意見書くのは自由なので、需要があろうがなかろうが、勝手に書けばいいと思うの。リプないとはずかしいから予防線張ってるんですよね?じゃなきゃやらない理由がない。

話はそれましたが、独立したいなら勝手にすればいいと思うんです。これが「独立したいんですけど、やっていけますかね」ならまだ周囲も相談には乗れるでしょう。

ただし、独立してもやっていけるかどうかなんて、個人の属性や資質、これまでの経験で大きく異なります。

ざっくり言うなら属性とは、例えば独身であれば自分が食う寝る分だけ稼げばいいし、子無し既婚も2馬力ならかなり余裕はありますよね。しかし子持ちであったり扶養家族が多いようならそういうわけにもいかない。

資質や経験だと、これまでバリバリの営業経験があれば、取引先開拓のノウハウもあるでしょう。ある分野で長年の経験がある専門家であれば、それを求めている支援機関はあるので、活躍できる場はあるでしょう。

たぶんこれ見てる人はほとんどが診断士、または診断士受験生なので、独立するには毎月いくらの売上と利益が必要なのかは、うっすら計算できるであろう。それと現職の給与見比べて独立するかしないかを決めればいいんじゃないの。それによく言われるけど「独立してダメだったら組織に戻ればいい」とはよく言われるね。資格取っちゃえばセーフティネットはあるものですよ。

今だったら補助金の代行屋もいっぱいありますし。下請けとしてそれなりに計算できる報酬もあるんじゃないでしょうかね。

個人的には企業内も独立もどちらもいいところ知っているつもりなので、安易にどっちがいいとは進めぬがなー、話を聞いてそれならこうしたらいいんじゃないくらいは伝えますが。

独立のデメリット

さて、独立となるとメリットばかり強調する人も多いと思いますね。時間がいっぱいできるとか、やりたい仕事だけできるとか、がんばり次第で稼げるとか。企業内と比べるとそんなに甘いものじゃないと思いますけどね。そんなデメリットを紹介します。

給与が不安定

企業内の最大のメリットはこれなんじゃないですかね。多くが固定給だと思います。

なのでタバコ休憩の時間も、トイレでウンコしてる時間も、出張した人のお土産を食べながらお茶してる時間も、全部給与発生してるんですよ。ま、窓口相談の仕事とかは1日いくらだから、相談の予約ない時間とかも同じように報酬発生してたりしますけど。

最近多い独立組で補助金ばっかりやってる人ってどうしても入金のタイミングとか不規則になりますよね。それに採択されなければ成功報酬はない。なので、基本的には独立するとサボってる間は無報酬なんですよね。

社会保険料は全額自腹

いやあ給与が最大のメリットとか書いちゃったけど、これも結構無視できないんですよね。社会保険料がいくらかかっているかは給与明細をご確認ください。本来であればその倍発生しているんですよね。独立すると全額自己負担です。

独立までに収入と支出の計算はすると思うんですが、これ考慮してるんですかね?実際独立したあと結構響きます。しかも会社員だと給与から天引きなのであまり気にしない人も多いと思うんですが、独立すると自分で払う手続きしますからね、なんかダメージは3倍くらいに感じます。

ボーナスがない

独立するとボーナスなんかないです。補助金の成功報酬がボーナス的な金額に見えますが、そこまでかかった時間等を考えると決して一時的にボンと入る収入ではない。企業内みたいに毎月の給与と別に入る、というわけでもないですしね。月にならせばボーナス感がないのはわかるだろう。

それにしてもボーナスって変わった制度ですよね。いろいろな歴史や背景があるんでしょうけど(うっすら見聞きしたけど詳しい話は忘れた)

信用がない

特に独立したてでよく言われますけど、信用なんかないですよ。よくクレジットカードが作れず、家や車のローンが組めないって言いますよね。企業内の人は、勤めている企業の信用や、安定した収入があるからクレジットカードが作れてローンが組めたりするんですよ。

独立した途端これらができないってことは、人として信用されてないってことですからね。ま、数年実績重ねればこの辺の問題はクリアできるんですけど。

信用っていう意味であれば、企業内のほうができることは多いですよね。企業内でないとできない、というわけではないが、ハードルが独立してからに比べると非常に低いことはありますね。

好きなことだけはできない

これも最初だけの話かもしれないですけど、よく独立となると「好きなことだけできていいね」とか「会社勤めだと嫌な人ともどうしても付き合わないといけないから」みたいな話はよく聞く。いやだがしかし、好きなことだけなんかできないよ?とくに最初は、お断りできるほど仕事いっぱい来る人なんてどれくらいいるんですかね?独立前からすでにスペシャリティなスキルがあって、社外に豊富な人間関係構築して、万全の体制で独立した人でない限り、無理じゃない?

特に士業資格取ったんで独立しちゃうタイプだと、最初はどんな仕事でも受けがちなんじゃないですかね。そんな中で「この仕事やだなあ」とか「こいつ仕事くれるけど一緒に働きたくねえよ」みたいな仕事断れるんですかね?ま、でもワイレベルでも「そろそろキャパ的に厳しいから他の人紹介しようかなあ」とか思うくらいのことはありますが、断るのはいろいろ厳しいですよねえ。

ワイは実は診断士なりたてのころ一回だけ持続化補助金の仕事断りましたね。いや、正しくは断ってくれるように持っていった、か。まあでもそれ嫌だったからというか、ハナから補助金の私的流用の匂いしか感じられなかったですからね。営業車ほしいですとかいいつつどう考えても自家用車のね。「自家用と事業用は経費折半なので、自家用が多い場合ほとんど経費にならないけどいいっすか」とか「補助金で買った車が自家用ってバレたら補助金返還だけど大丈夫っすか?」って話したら引いてくれました。

まとめ

独立するか企業内でいるか、これはどちらもメリデメある。というか企業内ってあんまデメリットなくない?まあでもクソ上司やクソ同僚がいる職場や、労働法完全無視な職場とかもありますけど、これ独立してもあるんですよねえ、、クソみたいなお客様、下請法や請負契約の定めなんかフル無視さんはどこにでもいるんですよ。残念ながら士業の世界にもいるんです。さすがに弁護士とか社労士でいるのかどうかは知りませんが。経営法務を勉強しているはずの資格保持者にはいくらでもいます。

あのな、企業内でも異動や転職っていう手段もあるんやで。嫌な同僚や上司、客から逃げる手段なんて独立だけじゃない。

独立するにしても個人の属性や経歴の他環境も様々なんで、一概にいい悪いって言える話じゃないと思うんですよね。

「独立したいんですけど、やっていけるかどうか心配です」や、「独立したいんですけど、最初どうやってお仕事とっていけばいいでしょうか」ならそれなりに相談に乗れる。

「独立したいんですけど、どう思いますか」とか「独立したいんですけど、したほうがいいですか」なら勝手にしろとしか言えない。

人に相談するときは、相談の仕方も大事だと思いますよ。

あとはまー、あれだ、いざ会社を辞めて独立するとなるといろいろとおすすめしたい話はある。ググったら出てくるし自分もやったことではあるんだけど、若干グレーな感じもして(バリバリ合法だけど)なんかここに書きづらい。会社辞めて開業届け出す前に、失業手当の制度についてはよく調べたほうがいいよ、ということしか言えない。

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