なぜ診断士はレッドオーシャンで無関連多角化するのか。

前々からたまに書いていたのだが、今回はやたらと反応が良かったこのネタ。

文字数もアレなので、勘違いしてほしくはないのだが、決して資格試験の勉強をしたり目標を持つことを否定しているわけではない。むしろすごいと思うけど。

診断士一年生は、診断士に合格してもまた次の資格試験に向けて動き出す。そのことは大変良いことだと思う。あんだけ苦しい思いをしてもさらに高みを目指す、良いと思いますよ。

ただ、それなりの数の人が目指すのがITストラテジスト。これのブームの火がどこでついたのかはわからんが、いろいろ話を聞くと診断士試験と親和性が高いことを誰かが広めたのがきっかけなのであろう。

このツイートは、もともとIT系でもないし、診断士×ITで食っていきたいとも思っていないのに、診断士試験と親和性が高いという理由だけで(しかも、資格取得後の話ではなく試験の内容だけの話で)脊髄反射的にITストラテジストを目指そうとする人に向けて書いたものです。

Wライセンス目指している人、資格取得目指している人、ITの知識を身に着けたい人、ITストラテジストの資格そのもの、これらを蔑ます目的や見下す目的は一切ない。脊髄反射的にITストラテジストを目指している人を除いては。

だってみんな情報の科目嫌いでしょ

診断士試験でも一次試験で情報の科目があるが、少なくとも私は情報の科目が好きだという人に出会ったことがない。まあパイは少ないので、探せばいるのかもしれないが。

そして、センパイ診断士の中には「あれ、一次試験で情報の科目ありましたよね?そこで勉強しませんでした?」と思うくらい、ITに疎い人も多い。

好きでもないのになんでやるの?っていうのがまず第一に思うこと。シンプルに。

ITストラテジストはオーバースペック

ITは嫌いだ、苦手だ、だから克服したい、そんな気持ちもわかるよ。じゃあなんでITストラテジスト?

99.9%の診断士業務にITストラテジストの知識までは必要ないよ。いいところ基本情報処理、それどころかITパスポートでも十分だと思います。

ITストラテジストとったところで、未経験でITの仕事なんてそうそうできないよ。

知識として持つとしても、オーバースペックすぎて診断士とシナジーなんかも働きませんし、まさに無関連多角化です。

私も少しITやらシステム開発やらの仕事を診断士になってから関わりましたが、これってただのITの仕事であって、IT×診断士の両方が活きた仕事ではありません。実際にシナジーなんか働いてないんですよ。ITと診断士の両方の知識が必要な仕事なんてそうそうないと思います。

ただ診断士がITの仕事やっているだけっていうね。この診断士は診断士である必要がないので(別にITの知識があれば誰でもいい)、やはり無関連です。

情報処理技術者試験なんか目指さなくても、LINE for Businessの使い方学ぶとか、キントーン使えるようになるとか、そんな感じのほうがよっぽど診断士とのシナジーは生まれると思います。

そりゃあね、診断士だってITの知識はなきゃダメだよ。当然なきゃダメだ。だけどなんで他にも手段も目的もあるのにITストラテジストなの、、っていうのはすごく思います。

診断士はニッチ産業で強みを活かして資源集中

そもそもなんだが、診断士は試験を通じて、レッドオーシャンではなくニッチ市場で、強みを活かして、経営資源を集中する、と刷り込まれているはずだ。

ニッチ市場で強みを活かして資源を集中することが必ずしも最適解とは限らないが、少なくとも官製コンサルタントである中小企業診断士になるのは、そのように教育されてきているはずなのだ。

それなのに、なぜニッチでもなんでもないIT分野に、むしろ自分の強みではないITを、それもオーバースペックな知識を身に着けようとするのか、それが不思議でならない。だって試験でやったことと真逆の戦略だよ?

IT業界がレッドオーシャンかどうか、正直いって机上の知識だけでITストラテジストに合格した人より、よっぽど知識も経験もあるIT専門の人はいっぱいいます。そういう意味ではレッドオーシャンですね。

という、診断士試験の学習を通じて得た知識や経験からすると、これまでITを強みとしていなかった人が、診断士になったあとに診断士×ITに行こうとするのは、レッドオーシャンで無関連多角化に取り組むことになりますね。ニッチ市場で強みを活かすとは正反対です。

ニッチ市場×強みだけが正解ではないので、どうしても未経験から診断士×ITで食っていきたいというのであれば、個人的には厳しい勝負するなーとは思いますが、個人の自由ですし、別にワイが止めるわけでもない。

あ、もともとIT系の人ストラテジスト取るのは強みの補強ですし、全然違う話です。

まあでもこんなこと書いてしまうと、未経験の仕事なんて誰も何もできなくなってしまいますからね。未経験なのにITで勝負するのはやめろ!ということではなく、あなたが勉強してきたのは勝てる土俵を選んで勝負するということではなかったですか?というだけの話であります。

まずは基本固めたり強みや売りを明確にするほうが先じゃないかなあ

所詮、診断士なんて、それなりに広くてそれなりの深さの経営に関する知識を認められたにすぎませんよ。まず基本としてあるべき経営やコンサルティングの知識・技術だって十分でないと思っています。

私自身だって診断士の次また資格目指そうと思ったこともありますが、それよりも今の目の前の診断士としての強みや深みを持たせる勉強するほうが先だなと思っています。

仕事なんて縁なので、今・これからどんな知識が必要になるのかはわかんないもんですよ。資格目指すのは、そこでその時必要になってからでも、決して遅くないんじゃないかと思います。

ITストラテジストは片手間な勉強で受かるものでもないですし、そんな遠回りするのであれば、もっと身近な目標に取り組んだほうが診断士としていろいろ役に立つんじゃないのかなあ、と思った次第です。

診断士の業務や経営、コンサルティングに関することで勉強する必要があること、いーっぱいありますから。その過程で必要なのがITストラテジストなり、行政書士なり、社労士なりであれば、それから目指すでもいいんじゃないかなーと個人的には思います。

診断士になってからまだ2年そこそこですが、ほんとに日々診断士の勉強だなと思います。試験に合格してからのほうが勉強すること多いですよ。次々に勉強ししたいというか、しなければいけないものが出てきます。中小企業診断士はこれ一本でも余裕で食っていける資格です。

まず診断士という資格を使いこなすことを考える前に次の資格を目指しても、結局どっちつかずになるんじゃないかなという気もします。

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